今年の確定申告は3月15日に終了しましたが、皆さんは無事に申告は出来たでしょうか?
私は確定申告を行う為のソフトとして、株式会社フリーウェイジャパンが提供している永久無料の会計ソフト「FreeWay経理 Lite」と言うWindows用ソフトを使用しています。
今回、このソフトを使用しててインポート方法に癖があって分かりにくさを感じた為、その点を分かりやすく解説したいと思います。
Freeway経理 Liteで読み込めるファイル形式は?
Freeway経理ソフトで読み込める形式は「CSV形式」のファイルとなります。
中身は普通のテキストデータとなりますが、経理ソフトで読み込めるようにするにはインポート前に読み込み用の形式に変換・整形する必要があります。
CSV形式とは?
CSVはWindows等のパソコンで使用される場合に「ファイル名.csv」と拡張子が「.csv」となっている一般的なファイルとなります。
このCSVはComma-Separated Valuesを略した拡張子となり、一つ一つのデータを「,」カンマ区切りで並べたものとなり、Excelではカンマで区切った部分が横の1セルとなり、改行で下の行になります。
実際のCSVデータは次のとおりです。
"郵便番号","住所","名前","電話番号"
"100-0000","東京都千代田区xxx-xxx","佐藤 五郎","080-1234-5678" "115-0055","東京都北区赤羽西xx-yy-nn","山田 花子","090-9999-9999"
ちなみに、データの1行目部分にある「"郵便番号","住所","名前","電話番号"」の部分は、一般的にタイトルヘッダとして使われており、インポート時には不要な部分となります。
なので、CSVの編集・整形が終わってからFreeway経理 Liteでインポートする際には、ヘッダ部分の行を削除するのを忘れないようにしましょう。
ファイルの文字コード形式は?
Freeway経理 Liteで読み込めるファイルの文字コードは「Shift_JIS」形式となります。また、改行方法はWindowsで一般的な「<CR><LF>」形式となります。
私が初めてCSVファイルを読み込ませようとした際は、Unicode形式の「UTF-8」でファイルを保存してしまい、インポート時に文字化けしてしまいました。
このUTF-8形式はプラグラミングやHTML等において世界標準で当たり前の認識だった為、この文字化けになった原因が分からず、「Shifut_JIS」でないとインポートが出来ない事に気づくまで少々時間が掛かってしまいました。
ExcelでCSVファイルを作成して保存する場合、ファイルの種類は「CSV(コンマ区切り)(*.csv)」で保存して下さい。
なお、Windows10の標準メモ帳では出来ませんが、UTF-8でCSVファイルで保存した場合や、保存形式自体が分からなくなった場合は、窓の社にあるフリーウェアのテキストエディタを使用する事で、再保存時に「Shifut_JIS」を指定して保存することも可能です。
Freeway経理 Liteの読み込みに必要なCSVデータは?
前項でCSV形式の仕組みは理解できたと思いますが、実際にFreeway経理 LiteでCSV形式のファイルを読み込むためには、読込用の形に整える必要があります。
この形式については以下の公式Q&Aにも書かれていますが、内容が少々分かりづらい点があるので説明します。
テキストファイル変換で、仕訳データ、科目残高、マスタへ取込むファイルの条件などがあれば教えてください フリーウェイシリーズのFAQ
Q.テキストファイル変換で、仕訳データ、科目残高、マスタへ取込むファイルの条件などがあれば教えてください。
この経理ソフトで使われるタイトルヘッダは次の通り、赤文字は必須入力項目、青文字は任意入力項目となり、黒文字部分は空欄で大丈夫です。
なお、青文字の部分はインポート時は任意入力とされていますが、こちらもインポート前にExcel上で一括入力を済ませておいた方が、後で経理ソフト上から入力するより手間が少ないと思いますのでこの部分も後で説明します。
- 伝票番号/4桁/無い場合は「0」入力必須
- 部門コード/2桁
- 工事番号/6桁
- 日付/和暦/年月日/6桁
- 借方科目コード/4桁/外部コード
- 借方科目名/全角4文字
- 借方補助コード/4桁
- 貸方科目コード/4桁/外部コード
- 貸方科目名/全角4文字
- 貸方補助コード/4桁
- 金額/11桁
- 摘要/全角32文字
- 課税区分/2桁
- 税率区分/2桁
- 資金繰科目コード/4桁
- 手形期日/和暦年月日/6桁/無い場合は「0」入力必須
ちなみに上記の1番と16番に「0」入力が必須となっているのは始点と終点を表しているものだと思います。
まず、上記のタイトルヘッダをそのまま雛形として使う為、以下のコードを新規のテキストファイルにコピペして、保存形式を「CSV」として保存します。そして保存したCSVファイルをExcel上から開く事により、インポートファイル雛形のタイトルヘッダとして使用します。なお、Windows標準のメモ帳ではCSVとして保存が出来ないので、とりあえずテキストファイルで保存して、後で拡張子を「*.txt → *.csv」に変更すれば大丈夫です。
"伝票番号/4桁/0必須","部門コード/2桁","工事番号/6桁","日付/和暦/年月日/6桁","借方科目コード/4桁/外部","借方科目名/全角4文字","借方補助コード/4桁","貸方科目コード/4桁/外部","貸方科目名/全角4文字","貸方補助コード/4桁","金額/11桁","摘要/全角32文字","課税区分/2桁","税率区分/2桁","資金繰科目コード/4桁","手形期日/和暦年月日/6桁/0必須"
※本来は「""」ダブルクォーテーションは不要ですが念の為に付けています。
銀行口座から取得したCSVファイル整形
では実際に銀行口座からCSVデータを取得して、データの整形を行いたいと思います。
今回使用する実データはジャパンネット銀行(通称:JNB)の口座です。JNB口座から取引データをCSVファイルをエクスポートしておき、そのファイルをFreeway経理用で読み込める形式に変更します。
ジャパンネット銀行からCSVファイルをエクスポート
まず、ジャパンネット銀行にアクセスして自分の口座にログインします。口座にログイン出来たら取引明細ボタンをクリックして、普通預金取引明細照会の画面を表示します。
普通預金取引明細照会の画面を開いたら、その下にスクロールすると照会条件変更という項目があるので、エクスポートする期間を選んで照会ボタンを押します。
照会期間が表示されたらダウンロード項目にあるCSVボタンを押すと新しいウィンドウが開いて、照会条件で指定した期間のCSVファイルが保存出来ます。
この時のファイル名はNBGから始まるものになりますので、後で分かりやすいようにファイル名を変更した方が良いかもしれません。
例)NBG2303at1e52gA4wx9C9b1i6r5j9a0Uch5q6e.csv
CSVファイルをExcelで編集
今回はテスト用に2週間分のデータを取得しました。このCSVファイルの中身を開くと以下のようなデータになっています。
"操作日(年)","操作日(月)","操作日(日)","操作時刻(時)","操作時刻(分)","操作時刻(秒)","取引順番号","摘要","お支払金額","お預り金額","残高","メモ"
"2019","1","6","19","27","3","0000101","ヤフーヨキンバライ","25818","","64929",""
"2019","1","8","9","4","37","0000101","Visaデビット取消予約(2Axxxxxx)","","185","65114",""
"2019","1","10","3","1","25","0000101","振込 ウォレット ウケトリ","","2538","67652",""
"2019","1","11","11","46","50","0000101","振込 ウォレット ウケトリ","","2908","70560",""
"2019","1","12","13","59","34","0000101","ヤフーヨキンバライ","12863","","57697",""
"2019","1","12","14","3","8","0000201","ヤフーヨキンバライ","8785","","48912",""
"2019","1","15","11","16","7","0000101","振込 ウォレット ウケトリ","","3713","52625",""
"2019","1","16","12","34","30","0000101","JNBスター交換","","1","52626",""
次はこのCSVファイルをExcelで開くと以下のように表示されますので、この内容をFreeway経理 Lite用に整形します。
銀行の明細から必要なデータは次の3点のみで、この点に合わせての整形します。
4.日付/和暦/年月日/6桁
11.金額/11桁
12.摘要/全角32文字
まずは日付ですが、L1セルのメモの右側セルに「日付、金額、摘要」と記述します。
※Excelでは表示されるマス目をセルと呼びます。
- M2セル(日付)
Freeway経理 Liteで読み込める日付の形式は「和暦」が基準なりますので、事前に和暦に変換する必要があります。
まず西暦を和暦に変換する考え方ですが、平成の場合は「西暦の下2桁+12」にすると簡単です。
例)2019年4月1日の場合は「19+12=31」となるので平成31年4月1日となり、インポート時は「310401」と入力します。
ただし、今年の5月1日から新元号の「令和」に変更となるので、平成31年4月30日が平成の終わりとなり、令和1年5月1日以降は「西暦の下2桁-18」の考え方に変わります。
若しくは、令和当初に話題になった「R18」の単語を思い出して「2020年-18年=令和2年」と関連付ければ「2020年=令和2年」と覚えやすいと思います。
Freeway経理 Liteのアップデートにより、平成31年の5月以降も以下の様に平成基準で変換する事でインポートが出来るようになりました。
例)2019年6月22日は「2019年=平成31年=令和1年」で令和1年6月22日となりますが、平成を基準に変換するので、そのまま「平成31年6月22日」で「310622」と入力します。そして年数部分は「30+令和年数」と入力する仕様に変更され、例えば令和2年の2020年5月23日の場合は「30+令和2年=32」で「320523」と入力します。
上記の考え方でセルに入力する値は2019年1月の場合だと平成31年ですの、以下の関数を入力します
M2セル:=TEXT(DATE(A2,B2,C2),"eemmdd")
関数の意味は、date()で各セルを日付として取得し、text()で表示形式を平成年月日を2桁で表示します。
- N2セル(金額)
金額部分はお支払金額とお預り金額に分かれていますので、N2セルには次の関数を入力します。
N2セル:=I2&J2
上記の関数は2つのセルの値を結合して表示するものになりますが、片方しか値が入っていないので結合表示するだけで大丈夫です。
- O2セル(摘要)
摘要部分は取引順番と摘要を合わせて表示したいので、前項と同じ様に次の関数を入力します。
O2セル:=G2&" "&H2
上記の関数では取引順番と摘要の間にスペースを入れる為に「&" "&」を入力しています。
関数の計算値を通常の値に変換
最初にM2、N2、O2のセル値を下の行にもコピーして、全ての行で同じ様に計算出来るようにしておきましょう。
M2からO9まで自動計算された値が表示されますが、このままセルをコピーすると関数のみが出力されてしまうため、この計算値を通常の値に変換します。
変換するためにまず、M2からO9をマウスで選択して右クリックメニューのコピーを選びます。
再度、右クリックメニューを開いて貼り付けオプションの値を選べば通常の値に変換されます。
Freeway経理 Lite用にデータ値を加工
それでは前項で作成した銀行のデータをExcelを使ってFreeway経理 Lite用に加工します。
まず分かりやすいように、最初の方で作成しておいたタイトルヘッダを記載したCSVファイルをExcelで開きます。
日付・金額・摘要の項目
このCSVファイルに、前項で作成した日付、金額、摘要の値をコピーします。
4.日付:M2~M9 → D2~D9
11.金額:N2~N9 → K2~K9
12.摘要:O2~O9 → L2~L9
伝票番号・手形期日の項目
次はデータの前後にある伝票番号と手形期日を「0」で埋めます。
1.伝票番号:A2~A9 → 0を入力
16.手形期日:P2~P9 → 0を入力
借方貸方の科目コード、科目名、補助コード
次は借方科目コードと貸方科目コードを入力しますが、この科目コードで使うコードはFreeway経理 Liteの科目マスタに設定されている「外部コード」を使用します。もし内部コードを使用した場合は、インポートした際に勝手に諸口として設定されてしまうので注意です。
外部コードを調べるには、Freway経理 Liteを起動して次の順で開いて下さい。
マスタ → 201 科目マスタ → 4 会計データの科目登録 → ご自身の会社名
以下のように科目マスタが表示されますので、その中にある外部のコードを使用します。
なお、私はJDL形式の科目マスタをインポートして使用していますが、もし別の科目マスタを利用する場合はFreeway経理Liteのマニュアルページの下部にある「他社会計ソフトの科目マスタファイル」をダウンロードして、それをソフトにインポートしてからご利用下さい。
科目コードの入力は銀行口座のお支払金額とお預り金額部分を見て仕分けしながら入力していきますが、借方貸方の入力を間違えないようにしましょう。
また、二度手間にならないように借方貸方の科目名と補助コードも一緒に埋めていきましょう。
この際の注意点として、コードは4桁で入力するようになっていますので、もし桁が足りない場合は0を追加して入力します。
5.借方科目コード:E2~E9 → 4桁コード
6.借方科目名:F2~F9 → 全角4文字まで
7.借方補助コード:G2~G9 → 4桁コード
8.貸方科目コード:H2~H9 → 4桁コード
9.借方科目名:I2~I9 → 全角4文字まで
10.借方補助コード:J2~J9 → 4桁コード
ちなみに、そのままExcelで入力する際に頭に0を付けると0が省略されてしまいますので、その場合はE~J列を選択してから右クリックメニューを出して、セルの書式設定を選んで分類を標準から文字列に変更します。これで文字列として4桁表示が可能になります。
税区・課区の項目
最後の入力として税区と課区を入力しますが、この項目は基本的に課税事業者でなければ関係無い部分ですが、一般的に消費税に関しては知っておいた方が良い知識となりますので、こちらもきちんと入力しておきます。
13.課税区分:M2~M9 → 2桁コード
14.税率区分:N2~N9 → 2桁コード
- 課税区分に関して
課税区分は売上や仕入や経費等で入力する値が変わります。この課税区分については国税庁のホームページ等を参考にしてください。
この項目はFreeway経理 Liteを開いて、以下の順で開けば確認する事が可能です。
マスタ → 205 課税区分
一般的に使う項目としては以下の赤枠で囲んだ部分が多いかと思われます。
課税方式で変わりますが、私は次の様に対応例として入力しています。
1.原則課税方式の場合
一般的な物を購入(仕入)する際に、「商品代+消費税」を払って仕入れた場合は仕入区分にある「仕入対課税売上:21」と入力し、その商品を返品した場合は「返品等、割引:71」と入力します。
次に、その商品が売れた場合は売上区分にある「課税売上げ:1」と入力し、もしその商品が返品された場合は「返品等、割引:51」と入力します。
2.簡易課税方式の場合
簡易課税方式の場合は上記の方法に加えて、売上区分が「第一種(卸売等):11」だった場合、それが返品された場合は「返品等、割引:61」と入力します。
後は同じ様に売上区分が「1 → 51」、「12 → 62」という様に、右側の値の売上と返品を対応させます。
他に、仕入の方は原則課税方式と同様で、課税対象商品を仕入れた場合は仕入区分の「仕入対課税売上げ:21」で、返品した場合は右側の「返品等、割引:71」と入力して対応させます。
- 税区に関して
税区は現在の消費税が8%ですので、課税取引であれば「08」を入力し、非課税取引であれば「00」と入力すれば大丈夫です。また今後消費税が10%に上がりますので、上がった時はその値を「10」に変更します。
上記の課区税区を入力していれば、後で経理ソフトの消費税課区税区チェック上からすぐに確認することが出来ます。
帳票印刷① → 314 消費税課区税区チェック → ご自身の会社名 → 会計期間の選択 → 実行ボタンをクリック
これで必要な項目が全て埋まってインポートの形式が揃いました。
作成したCSVファイルを保存
作成したCSVファイルを保存しておきますが、この時に必ず1行目は削除して下さい。前項で記載していた通り1行目はタイトルヘッダで不要となります。
タイトルヘッダの削除が済んだらファイル名を次の通りに変更して保存します。
ファイル名:KAI0000-Shiwake.csv
このファイル名の「0000」の部分は初期に設定した会社番号となりますが、無料版では基本的に「0000」です。
ちなみにファイル名の変更は読み込みの為のエラーチェックとなっており、ファイル名が違うと「ファイル名と会社レコードが一致しません。」と表示されてデータの読み込みが出来ません。
作成したCSVファイルをFreeway経理 Liteにインポート
それではいよいよ前項で作成したインポート用CSVファイルをFreeway経理 Liteにインポートしていきます。
念のためにインポートする前に以下の点を確認して下さい。
- 既にソフト側に入力済みのデータとインポートするデータ重複はないか?
- インポートするデータで、摘要が異なる同一仕分けのデータ重複はないか?
- ソフトデータ自体のバックアップを取っているか?
Q.バックアップの取り方を教えてください。 フリーウェイシリーズのFAQ
A.以下方法でバックアップをお取りください。
インポートするにはFreway経理 Liteを次の順で開いて下さい。
ユーティリティ → 602 テキストファイル変換 → ご自身の会社名→ 4 テキストファイルを仕訳データに変換
テキストファイルを仕訳データに変換する際のオプションとして、画像の右項目で必要な設定を行います。
基本的な設定は次の通りで、付箋色は付けていた方が後で仕訳データを見る時に便利です。
- 仕訳データの取り込み方法:追加
- 取り込む仕訳データに付箋:付箋有り(お好きな色)
インポートが正しく完了すれば以下のようになり、仕訳データ表示から付箋の色も確認できます。
まとめ
帳簿に沢山のデータを手打ちで入力するのは非常に労力を伴いますが、今回の様にデータをインポートする事で、楽して帳簿処理が可能になります。
また、インポート前にExcel上で入力処理を行っておくことで、インポート後に経理ソフト上からの修正が不要となりますので、そこはしっかりと処理をしておきましょう。
以上、CSVファイルをFreeway経理 Liteにインポートする方法でした。
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